【RHEL】RHNに登録してyumの処理が遅い場合の解決方法

Linuxサーバ

社内でRHNを利用してyumを利用したときに、yumのレスポンスが遅いことに気づき、その原因と挙動が判明したので、対処方法と理由を解説します。

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yum遅延の対処方法

「rhsm.conf」と「yum.conf」のconfファイルにプロキシの設定を行うことです。
※プロキシの設定方法については下記参照

rhsm.confのプロキシ設定方法

vi /etc/rhsm/rhsm.conf

■基本設定(プロキシサーバとポートを指定)
proxy_hostname =【プロキシのIPアドレス(ホスト名)】
proxy_port =【プロキシに接続するためのポート番号】

■ユーザ認証が必要なProxyの場合設定(適宜設定)
proxy_user =【プロキシ接続するためのユーザID】
proxy_password =【プロキシ接続するためのパスワード】

サンプル(読替え利用可能)

proxy_hostname = proxy.isleofhoso.com
proxy_port = 8080

#ユーザ認証が必要なProxyの場合設定
#proxy_user = user1
#proxy_password = pass1

yum.confのプロキシ設定方法

vi /etc/yum.conf

■基本設定(プロキシサーバとポートをURL形式で設定)
proxy=http://【プロキシのIPアドレス(ホスト名)】:【ポート番号】/

■ユーザ認証が必要なProxyの場合設定(適宜設定)
proxy_username=【プロキシ接続するためのユーザID】
proxy_password=【プロキシ接続するためのパスワード】

サンプル(読替え利用可能)

proxy = https://proxy.isleofhoso.com:8080/

#ユーザ認証が必要なProxyの場合設定
#proxy_username = user1
#proxy_password = pass1

社内でRHN利用のyumが遅延する理由

【前提条件】社内のインターネット利用方法

社内でRHNのyumを利用する場合、必ずと言っていい程、プロキシ経由でのアクセスになります。
一般的に、社内から外部アクセスするには、FW(ファイアーウォール)経由でのアクセスになります。
社内サーバおよびPCなどは、直接インターネットへアクセスできないようにFWにてブロックされています。
その為、社内にプロキシサーバを設置して各社内サーバおよびPCなどは、このプロキシを経由して、インターネットにアクセスすることになります。

画像1:社内における一般的なインターネットへのアクセス方法

【yum遅延理由】RHN利用のアクセスだからrhsm.confへのプロキシ設定忘れ

RHNへの登録をRHELサーバで実施する際、プロキシ経由でのRHNへアクセスする必要があり、RHELサーバの環境設定に一時的にプロキシ設定を行って、RHNへの登録を実施します。

■(例)RHELサーバの環境設定にプロキシを設定する方法

export HTTPS_PROXY=http://proxy.isleofhoso.com:8080
export HTTP_PROXY=http://proxy.isleofhoso.com:8080

※RHELサーバの環境設定ファイルにプロキシ設定をおこなうので、あらゆるネットワーク接続がプロキシ経由でのアクセスになります。

画像2:一般的に環境設定にプロキシ設定を行いインターネットへアクセス

この場合、RHNへの登録が完了したらRHELサーバの環境設定ファイルに登録したプロキシ設定を解除して、「yum.conf」だけにプロキシ設定をしてyumを利用してしまうケースが発生します。

■(例)RHELサーバの環境設定からプロキシ設定を解除する方法

unset HTTPS_PROXY
unset HTTP_PROXY

画像3:一般的に環境設定のプロキシ設定は解除

この状態でyumを利用すると、yumの処理が遅くなかなかレスポンスが返ってきません。理由は、yumを実行するとRHNへのアクセスも試みて動作します。RHNへのアクセスは「yum.conf」に記載したプロキシ設定を認識しないので、RHELサーバはRHNへ接続するためにプロキシを経由せずにアクセスしようとします。RHELサーバはプロキシ経由でしかのRHNへアクセスができないので、リトライを繰り返します。一定の時間が経過するとアクセスをあきらめてyumのリポジトリにアクセスします。yumのリポジトリへのアクセスは「yum.conf」の設定によりプロキシ経由できるので、yumとしての利用は可能となります。

画像4:yum遅延の理由はrhsm.confへプロキシ未設定

このように、yumがRHNへのアクセスを試みる動作を実施して接続に失敗してリトライを繰り返していることで、yumのリポジトリへのアクセスが遅延しています。この遅延を回避するために「rhsm.conf」にもプロキシ設定を行うことで、yumがRHNへのアクセスも可能となり、yumのリポジトリへのアクセスもスムーズに行い、処理の遅延がなくなります。

画像5:yumの遅延解消はyum.confとrhsm.confへのプロキシ設定


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