Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9のユーザーが「dstat --top」プラグインを使用しようとした際に、以下のエラーメッセージに直面することがあります。
■エラーメッセージ
[root@rhel92org ~]# dstat --top-io-adv
Invalid metric dstat.top-io-adv.top (PM_ERR_BADDERIVE Derived metric definition failed).
[root@rhel92org ~]#
※「dstat --top-XX」のように--topプラグインは、すべて同様のエラーメッセージが表示されます
今回、この問題の技術的な背景、その解決策、そして一般的なトラブルシューティングのヒントを詳細に解説します。
但し、RHEL7,RHEL8では、「dstat --topプラグイン」は実装されておりません。なので--topプラグインを使用してもエラーになるので注意してください。
「dstat --top」プラグインエラー解決方法
pmcdサービスが起動していないことにより発生しています。
pmcdサービスを起動することで、「dstat --top」プラグインエラーは解決できます。
systemctl start pmcd
systemctl enable pmcd
原因(pmcdサービスの非稼働)
dstat --top"コマンドは、システムのリソース利用状況を視覚的に表示する便利なツールです。
しかし、このコマンドはPerformance Co-Pilot (PCP)の機能を使用し、それにはpmcd(Performance Metrics Collection Daemon)が稼働している必要があります。
pmcdサービスが稼働していないと、dstatは必要なデータを収集できず、上記のようなエラーメッセージが表示されます。
pmcdサービスの重要性
- 「pmcd」はPerformance Metrics Collection Daemonの略で、システムのパフォーマンスデータを収集し、監視します。
- pmcdは多くの監視ツールやコマンドにとって重要なバックエンドコンポーネントです。
- dstatなどのツールは、pmcdを通じてシステムデータにアクセスします。
pmcdは、システムのパフォーマンスデータを収集し、PCPのログやネットワークを介して他のツールに提供するデーモンです。
このサービスが提供するデータは、システムの健全性をモニタリングする上で非常に重要です。
解決手順(dstatの適切な導入方法から解説)
1.dstatのインストール
- RHEL9ではdstatをインストールするとpcmd関連のパッケージも依存関係で同時にインストールされます。
dnf install dstat

2.dstatのバージョンと利用できるプラグインを確認
- plugins: の一覧にあるものがdstatのオプションとして利用できます。
- RHEL9では、「--top-XXX」と「--top-」関連のプラグインが利用できることが確認できます。
- plugins: に登録がないプラグインは利用できません。
- これらのプラグインは先頭「--」をつけて利用します。例:dstat --top-io-adv
dstat -V

3.dstat --topプラグインの利用確認(エラー)
- dstatインストール直後では--topプラグインは利用できません
dstat --top-io-adv
dstat --top-cpu
dstat --tcp
※--topプラグイン以外はエラーはでません。

4.pmcdサービスの起動
- dstatをインストールしてもpmcdサービスは起動していないのでサービスを起動させます。
systemctl status pmcd
systemctl enable pmcd
systemctl start pmcd
systemctl status pmcd

5.dstat --topプラグインの利用確認(正常)
pmcdサービスを起動したことでdstat --topプラグインが利用できます。
dstat --top-io-adv
dstat --top-cpu

まとめ
「dstat --top」コマンドの問題は、主にpmcdサービスが稼働していないことに起因します。
dstatをインストールしたら、直ちにpmcdサービスを起動することで問題は解消されます。
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