【画像解説】SSHポートフォワード:実践的な3つの多段(踏台)接続方法(1)

【画像解説】SSHポートフォワード:実践的な3つの利用方法1 Linuxサーバ

SSHのポートフォワード機能は、端末(Windows)から直接目的のサーバ(アプリサーバ)にアクセスできない場合に利用する方法です。

SSHポートフォワードは、図1のように「端末(Windows)」が「踏台サーバ」を経由することで、目的のサーバ(「アプリサーバ」)に接続できます。この仕組みにより、「アプリサーバ」は外部(許可無)から直接アクセスされるリスクを軽減し、かつ許可された外部(許可)の「端末」だけがアクセス可能となります。

図1(ローカルポートフォワード)


この機能は、「踏台サーバ(SSHサーバ)」を経由して、「アプリサーバ」のSSH接続(22/tcp)だけではなく、HTTPS(443/tcp)、RDP(3389/tcp)など様々なアプリ通信が可能となります。


※今回は、「端末(Windows)」が目的のサーバ(「アプリサーバ」)にSSH接続(22/tcp)することに特化して以下3つの実践的な利用方法を解説いたします。

1.端末(Winodws)のエフェメラルポートを利用したローカルポートフォワードこのサイトで解説

2.踏台サーバのエフェメラルポートを利用したローカルポートフォワード

3.踏台サーバが許可した端末のエフェメラルポートを利用したリモートポートフォワード



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端末(Winodws)のエフェメラルポートを利用したローカルポートフォワード

目的

「端末(Windows)」側でSSHポートフォワードを実行、「端末(Windows)」が「踏台サーバ」を経由して「アプリサーバ」へSSH接続する場合に利用します。


接続イメージ図



構成概要
  • 端末(Windows):「踏台サーバ」へSSH接続をします。ループバックアドレス(localhost)のエフェメラルポートを使って「アプリサーバ」にSSH接続します。
  • 踏台サーバ:このサーバにSSH接続してきた「端末(Windows)」を「アプリサーバ」にSSH接続させるサーバです。
  • アプリサーバ:SSHサービスが稼働しているサーバです。「端末(Windows)」がSSH接続したい目的のサーバです。



条件
  • 「端末(Windows)」にSSHコマンドを実行できる環境を用意する必要があります。
    <例>
      BashエミュレータをインストールするとWindows端末でSSHコマンドを実行することできます。
      Git Bashエミュレータ
       URL:https://gitforwindows.org/
  • 端末(Windows)のエフェメラルポート「10022/tcp」を使用します。
  • 「端末(Windows)」から「踏み台サーバ」の「22/tcp」ポート(SSH)にアクセスできる必要があります。



SSHポートフォワードのコマンド

※「端末(Windows)」でBashエミュレータを起動して実行します。

ssh -L localhost:10022:10.10.20.30:22 user@10.10.20.10

ー>実行後、「踏台サーバ」の「10.10.20.10」にSSH接続するログインID(user)とパスワードを入力する。


コマンド説明
  • -Lはローカルポートフォワードを指定します。-Lオプションを使用することで、「端末(Windows)」の指定したローカルポート(10022/tcp)を、「アプリサーバ」の指定ポート(22/tcp)に接続します。
  • localhostは「端末(Windows)」自身を指しローカルループバック(127.0.0.1)のIPアドレスです。ローカルループバックを指定する場合は省略可能です。
  • :10022は「端末(Windows)」側でLISTENするポート番号です。
  • :10.10.20.30はポートフォワードの宛先である「アプリサーバ」のIPアドレスです。
  • :22は「アプリサーバ」でSSHサービスがLISTENしているポートです。このポートに接続するためにフォワーディングされます。
  • user@10.10.20.10は「踏台サーバ」に対するログイン情報です。「user」はSSH接続利用時のログインIDです。



「端末(Windows)」が「アプリサーバ」に接続する方法

1.TeraTermを利用した場合

ー>「OK」押下後、「アプリサーバ」にSSH接続するログインIDとパスワードを入力します。



2.Bashエミュレータ(Git Bash)を利用した場合
※「■コマンド」で利用したBashエミュレータは使用せずに、新しいBashエミュレータを起動して実行してください。

ー>user@のuserは「アプリサーバ」のログインIDを入力します。
ー>実行後、「アプリサーバ」にSSH接続するログインID(user)のパスワードを入力します。




各サーバ間の通信状況のまとめ

  • 「端末(Windows)」から「踏台サーバ」へはSSH接続が可能です。
  • 「端末(Windows)」から「アプリサーバ」へのアプリ通信(SSH、HTTP、RDPなど)はできません。
  • 「踏台サーバ」と「アプリサーバ」間では、各種アプリ通信(SSH、HTTPS、RDPなど)が可能です。

上記の条件の下、「端末(Windows)」から「踏台サーバ」を経由することで、「アプリサーバ」への各種アプリ通信(SSH、HTTP、RDPなど)を利用することが可能です。

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